つくりての思い
  • 摘み立て色とりどり 「カーネーション」
  • 名取市花卉生産組合 三浦 智和

    「若い力で名取を再び開花させます」
摘み立て色とりどり 「カーネーション」

その力強さは復興の活力となった

温暖な気候と良質な土壌に恵まれ、交通の要衝でもある名取は古くから花卉、特にカーネーションの栽培が盛んでした。
5月の母の日を控え最盛期をむかえていた平成23年3月11日のカーネーション畑にも、大津波は襲いかかります。
畑は壊滅、温室や農業機器もすべて使えなくなりました。
「東北一を誇った名取のカーネーションももう終わりだな、と農家の誰もが考えました。畑の片付けに取りかかったのも発災から2ヶ月後のことです」
容赦なく海水が流れ込み、泥にまみれ、瓦礫の下敷きになった無残な姿の畑に足を踏み入れたとき、カーネーションがまだ生き続け、花を咲かせていることに気づきます。
「カーネーションの生命力とはこんなに強いものなのか、と驚きました。あれほど過酷な環境で、水も肥料も与えられずに自立していたのです。花もがんばってくれているんだから俺たちもがんばろう、と名取のカーネーション再興を決意しました」
摘み立て色とりどり 「カーネーション」

若い力がつぼみを育む

カーネーションが力強い生命力を秘めているといっても、商品として再び出荷できるようになるまでの道のりは平坦ではありませんでした。
「温室用のボイラーをはじめ機器が何もない、土壌の質が全く違うものになっている、そもそもこんな状況で花を欲しいと思ってくれる方がいるだろうか? と不安だらけでしたが、本当に多くの方にご支援をいただき、また出荷することができるようになりました」
努力と支援が結実し、現在はほぼ震災前の栽培面積に戻っています。
「次はより良くしていこう! と若手農家が集まり、様々な試みを行っています。これまでのようにただ生産だけをするのではなく、フラワーアレンジメントを自分たちで行ったり、お祭りや式典にあわせてイベントを開催したり、様々な媒体でPRしたり、常に新しいアイディアを出し合っています」
摘み立て色とりどり 「カーネーション」

花は心に余裕を作るもの

(名取市花卉生産組合 三浦 智和)

「被災直後は、とても花のことは考えられませんでした。"食うや食わずという状況ではきれいなだけの花は何の役にも立たない"、"花は心に余裕があるときのものだ"と思っていたんです。でも、泥にまみれながらも美しく咲いているカーネーションを見たときに"花は心に余裕を作るもの"だと気づきました。大変なときこそ花を愛でて、気持ちを軽くしてみてはいかがでしょうか」